2017
12.19

月のライン 6-3

Category: 小説


『ナヤへ。

 家の者が心配しているだろうから、と、警察は僕にこの手紙を書くよう、促した。

 携帯電話は調査として没収された。

 ナヤ、僕は今、警察署の牢にいるが、心配しなくてもいい。

 みな、大人の対応をしてくれている。乱暴な目にはあっていないよ。

 あの日、僕は花を届けるために、本土に行ったが、受取人が、いつも待つ場所にいなかった。

 どういうことだろうと思っていると、島から僕をつけてきたという、ラジという人物に会った。

 その男につかまれて、僕は今ここにいる。

 あの花は幻想花だったんだ。

 僕は何も知らずに、島から本土への掛け渡しをさせられていたんだ。

 洗いざらい、僕は喋った。でも知っていることはこれだけ。

 町長が、僕の雇い主。自分の店の花だと偽り、届けるだけで、金をくれていたということ。

 本当にそれだけしか知らないんだ。

 取り調べのために、僕はあと数日間、この署にいなければならないみたいだ。

 残念なことに、ノエルの夜にも、帰れそうにないらしい。

 近々、警察の調査員とラジが、町長を洗いに行く、と言っていた。

 もしもナヤ、こんな兄を許してくれる気持ちがあるなら、この封の裏に書いた住所に、手紙を一通、送ってほしい。

 きみの兄より』



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