2017
11.13

わんころがし

Category: 小説


 えいちゃんは、ペットのわんくんを、ヒモでつないでお散歩に出ました。

 わんくんはよく「わんわん」鳴いてばかりいて、なかなか前へ歩きません。

 立ち止まっては「わん」、人が通っては「わん」でした。


 えいちゃんは早くお家に帰りたかったので、わんくんのヒモを引っ張りました。

 するとわんくんは、ちっちゃかったのでコロコロ転がってきたのです。

 それを見た人々は、えいちゃんのことを「わんころがし」のえいちゃん、と呼ぶようになったのでした。



 わんくんはといいますと、相変わらず、今日も転がっています。

 歩くより転がるほうが、足が楽だというようです。

 でも、今日はとっても寒い日だったので、雪がたくさん積もっていました。


 えいちゃんは「わんころがし」のえいちゃんなので、いつものように転がします。

 わんくんも最初は楽ちんでしたが、途中から、体中に雪がまとって、おおわれました。

 「わんころがし」のえいちゃんは、「雪玉ころがし」のえいちゃんになりました。

 そしてもう、これ以上は引っ張れないな、という大きさになりますと、えいちゃんはヒモを放して、手でコロコロ転がしました。

 そして公園の真ん中に置くと、上に小さな雪玉を乗せて、雪だるまを作ったのでした。


 公園に遊びに来た子供たちは、春になって雪がとけるまで、「かわいいね」とか「さすがえいちゃんだね」と、えいちゃんをほめてくれました。



◆ E N D






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