2017
10.31

ぺんぺんとらっかせい

Category: 小説


「やあ! ペンギン」

「あぁ、らっかせいくんか」

「きみ、ペンギンのぺんぺんくんでしょー?」

「そうだよ。ぼくはぺんぺんくんだよ。きみは?」

「ぼくは、らっかせいのらっかせいさ」

「うん、そうだね。ところで、何か用なの?」

「ううん。もうさむくなったから、きみが現れると思ってね。まってただけさ」

「そう、ぼく、さむくなったら出番がくるんだよ。それまでは、氷のあるところにいるんだけどね」

「もう出ていいんだろ? これからは毎日、おそとをあるけるの?」

「うーん、たぶん。ぼく、おじさんがいるんだけどね、そのおじさんがね、ぼくの氷づけのオリをあけるんだよね。そしたらあるいてもいいってことなんだ」

「へぇ。ぺんぺんくんはピーナッツはたべる?」

「たべないよ」

「あぁよかった。じゃあ、一緒に今日はあるこうね。こっちだよ」

「どっち?」

「どっちって、ぺんぺんくん、きみ、いきなりひどいじゃないか!」

「どうしたの、らっかせいくん」

「どうしたのって、足を上げてよ! ぺんぺんくんたら、ひどいや。いきなりぼくを踏むなんてさ!」

「えっあっ、本当だ。ごめんね、らっかせいくん」

「もういいよ。ぺんぺんくんなんてしらない。ふんっ!」

「らっかせいくん…」



「どうしたんだい、ぺんぺん」

「あっ、おじさん。あのね、らっかせいくんがさむくなってきたから、ぼくを待ってたから、一緒にあるこうとして、ぼくが踏んづけちゃったの」

「それはいけないね、ぺんぺんがあやまりなさい」

「うん…らっかせいくん、ごめんなさい…」

「しらない、しらないっ」

「おじさん、らっかせいくんは、まだしらないしらないをやっているよ」

「それはいけないね。ぺんぺん、もう一度あやまりなさい。ちゃんと頭を下げるんだよ」

「うん。らっかせいくん、ごめんなさい、ぺこり」

「わーん。うわーん」

「おじさん、らっかせいくんは泣いちゃったよ」

「それはいけないね」

「おじさんはいつもそれはいけないね、だね」

「それは…しょうがないね。ぺんぺん、今日はらっかせいくんはかわいそうだったから、明日はかわいそうをやめて、たのしく過ごすんだよ」

「うん、それじゃあね、らっかせいくん。また明日はしらないしらないはおわりだからね。お願いだよ」

「わーん。ぺんぺんくん、それじゃあまた明日、待ってるんだから、ぜったい踏むのやめてよ。じゃあね、ぼくはかえる」

「うん、またね」

「さあ、ぺんぺんも今日はかえろうね」

「うん、ぼくかえろう」

「つかれただろう、ビタミンをとるために、エサにピーナッツを混ぜとくからね」

「うん、ぼくつかれたからピーナッツを食べる」

「先にかえりなさい。おじさんはらっかせいくんを送ってから、ピーナッツを持ってかえるからね」

「わかった」

「さようならを言ったかい?」

「さようなら、らっかせいくん」

「さよなら、ぺんぺんくん」

「さようなら」

「さよなら」

「さようなら」

「さよなら…」


その後
ぺんぺんとらっかせいが再び出会うことはなかった。



◆ E N D






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