2017
12.02

かくれんぼ

Category: 小説


私たちは、かくれんぼをして遊んだ。

体の小さな者は、すぐに見つかった。

そして、大きな者に食べられたりもした。


体の大きな者は、あまり隠れられる場所がない。

私もそのうちの一人だった。

周りを見回してみても、私より大きな木は生えていない。

私が一歩前へ進むと、大きな地響きが起きる。

おそらく私は、地球上始まって以来、この世で最も大きな存在であろう。

そう、私は恐竜。



私は大変よく目立った。

遠くからでもよく見えた。

かくれんぼをしても、いつも見つかってしまう。

私は、楽しくない。つまらない日々を送った。

そんな時、仲間の一人が、こんなことを言った。

「今、あの空に見えている星が、落ちてくる気がする」

私もその星を見た。

たしかに、昨日より今日のほうが、大きくなってきているように見える。近づいてきているのだ。

「どこかに、逃げたほうがいいのではないだろうか?」

私は仲間にそう言ったが、仲間は笑って、

「大きなお前が逃げたところで、隠れられるわけもないだろう。すぐに見つかってしまうよ」

と言う。



私は何としても、隠れる場所を探したかった。

今までで、最も長く隠れられた時間は、およそ三十秒。

それも、大きな岩の陰に、できるだけ体を縮めて、長い首も折りたたむようにして、だった。

とても窮屈(きゅうくつ)だったが、空からだと丸見えだ。

飛ぶ恐竜に見つかってしまったのだった。


私はあれ以来、どれだけ長い間、隠れていられるか、考えを巡らせていた。

そのうち、空から大きな星が降ってきて、私たちの全ては燃え尽くされた。

私は逃げ惑うことはやめた。

そしてこれが、私を隠れさすのに最も最適なこととなったのだ。


私の上に降り積もった大量の土砂は、大きな私さえもを隠れさせてくれた。

身が滅んでも、心は隠されたことへの喜びに満ちていた。

私は長い間、かくれんぼを楽しんだ。



およそ六千五百万年の時を経て、私は再び見つけられてしまった。

土の中から、私は掘り出された。

見たこともない、二足歩行の種族によって。

彼らは、私を見つけたことに、驚きを覚えていたのだろう。

「ついに見つけた! 大発見だ!」

と言っていたのだから。



◆ E N D






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